コピペOK読書感想文のニュースについて思うこと

ニュースからそんな言葉を聞くなんて思わなくて、驚いてつい見ていたニュース。

  • 大学生のレポートにコピペ(コピー&ペースト)が蔓延しているらしい
  • 小中学生の読書感想文でもコピペ問題が起きている
  • 「学校提出用に限り著作権フリー」と書かれたコピペ支援サイトがあるらしい

ざっとまぁそんな話なんですが。

そういえば、読書感想文の書き方って知らないのかもしれない。

ニュースの中で著作権フリー読書感想文コピペ支援サイトの管理人が、
「教えられてもいない読書感想文を書け言われて、感想なのに書き直させられたりして」
と言っていたのがいやに印象に残った。


確かに、読書感想文の書き方って学ばないよなぁ…。


大学にでも行けば(もしくは高校生くらいでも?)小論文の書き方くらいは授業があるだろうけれど。
私も小学生の頃、読書感想文といわれて途方に暮れた記憶がある。

完全受身で本を読んでた。感想を交換することの楽しみは、大人になってから知った。

本を読むのは好きだったけれど、それはただ、活字を追うのが好きだっただけで。
それに対して何か考えたりなどしなかった。
ただひたらすらに、受身だった。テレビを見ているような感じで。


完全に、「推理小説を推理せずに読む」読み方。


「TVより、情景を想像しながら読まなければならないから、読書は良いことだ」とか言うけれど、そういう読み方しか知らない子どもだっている。

ちなみに、読んだ本について語り合って楽しむ、という楽しみを見出したのは、もう大学も卒業する頃だった。
コインロッカー・ベイビーズ」を読んで、キクとハシについて語り合った。そういうことが、面白いのだと初めて知った。
(でも既に腐っていたので、自分の視点はちょっとアレでした)

やっと「読書感想」に馴染んだ

今は読書メーター*1をやっているし、ブクログ*2とかAmazonのレビューとかブログとか、読後の感情を吐き出す場も、討論する場も、他のヒトの意見を見る場も揃っていて、いいなぁと思う。


未だに本を読むのは好きで、小説はなかなか読まなくなったけれど、本当は読みたい本がいっぱいある。
読書日記代わりに、読書メーターやブログにまとめることを覚えて、最近はちょっと読めるペースが上がった気がする。


ただひたすらに活字を追うだけでも楽しいけれど、読んだ後にちょっとポイントをまとめておけば、同じ作家の本を探したり、再読したりするのに良いんだと知った。

読書メーター」って凄いと思う

読書メーターは携帯で見られるので、ほんとmixi以上につかってます。
ひとの感想見ていると、思いもよらない着眼点があったりして、ほんとうにおもしろい。


難点は「話題の本」とかに上がっているコメントやタイトルを見て、読みたい本が増えてしまうことだけど。(笑
読書メモや感想文も、紙やノートだと、多分続かない。
携帯でちょっと書き込める、その手軽さがいい。

読書感想文って多分ものすごく難しいものだと思った。

そんなこんなで、読書感想文って早々安易に子どもに課すことのできるものでないのではないかな、とか思う。
本を読んで、理解して、自分の中で再構築して、他人に見せられる形で出す。

それって相当難しいことだ。
子作りして、腹の中で大きくして、生み出して、大人になるまで育てる、ってのと近いんじゃないのか。(経験はないですが)


そもそも子どものころって1つの物語を繰り返し読むっていう発想自体ない気がする。
だから、読書感想文も課題図書を読んで、それからどうしたら良いのかわからなくなる。


何度も読むこと、内容に寄り添って、思考を巡らせること、そのヒントを与えて欲しい。
「何を読んだの?」
「どんなひとがいたの?」
「どんなことがあったの?」
「それに対して、どう思ったの?」
「自分だったらどうしたいと思う?」
そんな会話から、そういう楽しみ方があるのだと、子どものころに教えて欲しい。


……引き篭もり型の読み方ばっかりしていたので、本当にそういうことを教えてくれる大人に出逢いたかったなぁ、と今は思うのです。

ついでに。課題図書はもっと他愛のないもののほうが良い。

確か高校の教科書で『こころ』を読んだのですが、字が上滑りしてストーリーを追うことすらできなかった記憶があります。
走れメロス』も「メロスは激怒した。」しか覚えてない。
(でも、確か小学校の教科書に載っていた詩の「クリソプレーズ」という言葉は、みずみずしい緑を表現していたという印象とともに、挿画だったか参考写真だったかの、ふっくりとした水粒をのせた緑の葉の色も覚えている。)


未だに、あまりに衝撃を受けた本には、言葉の感想がなかなか出てこない。「すごい」「おもしろい」しかいえない作品も多い。


内容に寄り添って思考を巡らせるには、内容を理解しなければならない。
それに対して漱石や太宰はちょっとどうなの、と思わずにいられません。多感な10代で太宰というのは、正直読みたくないと思うし。
読んで、飲み込んで、自分の糧にできるヒトもいるかもしれない。
でも、「重い」図書は本当に重圧になる。逃げることさえできないのは、本当に苦しい。


それに、思考をめぐらせるには相手の情報があまりに多過ぎると、飲み込むことさえ難しい気がする。
逆に高校生に絵本の感想文を書かせるのもアリなんじゃないか。
『おおきなかぶ』とかは難しいだろうけれど、しばらく前に話題になった『あらしのよるに』は討論のしがいもありそう。
近い話ですが、『チリンのすず』に至っては絵本とは思えないその設定にふるえました。
これは高校生の課題図書になっても良いと思う。



……まとまりがつかなくなってきた。
コピペOKについてはどうかと思うけど、読書感想ってほんとはオトナの楽しみなんじゃないの、って話です。
ほんとこんなのこねくり回すのが楽しいなんて知ったの、自分は成人後ですよー。